はじめに
本ブログの内容はあくまでも個人的な体験及び見解です。
本ブログ内の文章や写真を無断で使用・転載することは固くお断りいたします。 なお、記載されている情報等は記事投稿時のものですので、必ずしも正確な最新情報ではない可能性もあります。あしからずご了承ください。 ・サルデーニャ島、ネプチューンの洞窟へ! ・サルデーニャ島、あなどれない春の花たち ・サルデーニャ島、アルゲーロの「ウニ祭り」 ・サルデーニャ島、4月の穏やかな海 ・春の華やかなお祭り@イタリア 旅行口コミ情報 カテゴリ
全体 ごあいさつ イタリア事情 サルデーニャ事情 食生活/食材諸々 自家製モノ チーズ ワイン ビール お菓子 パン パスタ 読書記録 その他諸々 サッサリ散策 伝統行事(サルデーニャ) おでかけ(サルデーニャ) おでかけ(イタリア/他州) おでかけ(イタリア国外) 日本滞在 未分類 最新の記事
以前の記事
2014年 05月 2014年 04月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 more... フォロー中のブログ
フィレンツェ田舎生活便り2 イギリス ウェールズの自... 晴れときどき菜園 -イギ... パルマの食と生活 PORTO CERVO の人々 シチリア食通信 、時々イタリア シチリア時間BLOG 2 ボローニャとシチリアのあいだで デュッセルドルフに暮らす 幸せなシチリアの食卓、時... 外部リンク
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2011年 08月 02日
先日フランスに行った時、荷物が増えるのも厭わず空港でつい買ってしまった一冊を読了。フランスの女流ミステリー作家、フレッド・ヴァルガス(FRED VARGAS)の最新刊 "LA CAVALCATA DEI MORTI" (仏語原題: "L’Armée furieuse" 、イタリア語タイトルの単語をただ機械的に日本語に置き換えると『死者たちの騎馬隊列』といったところか)。
罪を犯しながらも未だ罰せられていない者を獲物として狩り去るべく、叫び声を上げながら真夜中の森を進んでいく死者たちの一行。この死者たちの中に姿が確認された生ある人間は、後に必ず命を落とす...それが中世に起源を持つ『怒りの隊列』の言い伝え。 ある日、そんな伝説が今なお根強く残るノルマンディー地方の村から、パリのアダムスベルグ警視のもとを訪れた一人の女性。『怒りの隊列』を娘が目撃したのだという。言い伝えに従えばこれから命を落とすことになる人物たちの姿も一緒に。そして時をおかずしてこの伝説を彷彿とさせる連続殺人事件が起こり、アダムスベルグが捜査に乗り出す。 この事件を主軸に、パリで起こった放火殺人事件やその容疑者にされた少年の逃避行などのエピソードが織合わされて物語が展開していくというのが今回のあらすじ。 毎度のことながら先へ先へとページをめくらされるヴァルガス調。加速率が高い。 ヴァルガス作品を初めて読んだのは多分4年ぐらい前。新聞の書評欄を読んで気になって買った "SOTTO I VENTI DI NETTUNO" (仏語原題: "SOUS LES VENTS DE NEPTUNE" )、前例のごとく単語だけ翻すと『ネプチューンの風に吹かれて』)というタイトルの作品。これがなかなか気に入って以来、全部とはいかないまでもイタリア語に翻訳されている作品(小説)は結構読んでいる...かな。中でも好きなのは、最新刊もそうだけれど、アダムスベルグ警視(警察署長)シリーズ。 スローな言動、文字系のデータにちょっと弱くて単語や名前がきちんと覚えられなくて(でも視覚的な記憶力は強い)、精密な論理的思考というのもどうも苦手な様子で、ついでに女性との付き合い方などもいまいち不器用な「直感系」の警視さん。軌道から外れて無茶なことも結構するタイプで、往々にして周囲からは「理解不能な人」として捉えられている。 事件のプロットもさることながら(主軸の事件ではいろんな人を疑いたくなる要素=途中で読者の推理を覆させるのに十分な描写が散りばめられている)、何と言っても主人公を含めた登場人物(アダムスベルグの部下たちはかなりの個性派揃い)が魅力的に描かれていて、彼らの間で交わされる会話にも引き込まれる。中でも、彼の右腕にあたる、超知性派で論理派、アルコールと大の仲良し(職務中も結構飲んでいる)ダングラールとのやり取りが特に楽しくて、そんな要素も影響してか、多少ボリュームがあってもあまり気にならずに読める。各章のボリュームが少ないからという理由もあるかも。 ところでこの作者の本業は考古学者(動物考古学)で、かつ中世の専門家だという。そんなこんなで作品の中にもいろんな歴史的なエピソードが盛り込まれていたり(定職に恵まれない3人の若手歴史研究家を主人公にしたシリーズもある)、動物に限らず生き物に関するエピソードが何気に入っていたりするところも私には魅力。 イタリアで大きく紹介され始めた頃、本職が作家ではない作者が執筆に充てられるのは夏休みの21日間(!)ということがよく書かれていたけれど、これは今でも相変わらずなんだろうか…? 本国フランスはもちろん、イタリアでもかなりの人気(イタリアのメディアは「ヨーロッパでは特にイタリアで人気がある」という書きぶり)のヴァルガス作品。新作はもちろん過去の作品も続々と翻訳されていて、ベストセラーランキングの常連。先々週のどこぞのランキングでは最新刊が第1位、先週は第2位だった。 ちょっと気になった方はちょっと書店でページをめくってみては?図書館で借りるという手も。 日本語でもいくつか翻訳が出ているはずのフレッド・ヴァルガス、私的にはかなりオススメ。ただし好みに合わないケースも想定されるので、まずはご確認を。ちなみに、いきなりこの最新刊からではなく、過去のものから読んでみると、人間関係などなどいろんな背景がわかってさらによいのではないかと…。 *** 書籍データ ***************** 作者: FRED VARGAS 訳者: MARGHERITA BOTTO タイトル: "LA CAVALCATA DEI MORTI" 出版社: EINAUDI 価格: 19,00 ユーロ **************************** ↓よかったら1クリックお願いします。
by viasardegna
| 2011-08-02 00:28
| 読書記録
|
ファン申請 |
||